JavaScriptの起源は,ウェブページの処理能力を高めるためにNetscape社が開発したスクリプト言語です.その後,いくつかの段階を経て,ヨーロッパの標準機関ECMAが1997年にECMAScriptとして標準化しました.テキストエディタさえあれば誰でもJavaScriptのプログラムを書くことができ,ほとんど全てのブラウザはJavaScriptをサポートしているので,そして無償で公開されているJavaScriptのライブラリを使えば素敵なこと(楽しいこと,インタラクティブなこと)ができるので,プログラミング入門用の言語としても適していると思います.
JavaScriptは非常に多くのことができるので,ウェブに欠かせない技術となりました.Web 2.0といわれる現代,RIA (Rich Internet Application)が普及し,パソコンにアプリケーションをインストールしなくても,ウェブだけでメールを読み書きしたりワープロや表計算やプレゼンテーションが使えるようになっています.JavScriptを用いることでユーザがウェブページをインタラクティブに利用できるようになり,ウェブのユーザビリティが向上しました.(不適切な使い方をすると,使いにくいウェブページになってしまうことにも注意されたし.)2010年代が進むにつれて,ウェブ技術がOSを置き換える勢いですが,そこでもHTML5やCSS3と並んでJavaScriptが重要な役割を果たしています.
JavaScriptは,単なるスクリプト言語ではなく,マウスがクリックされたとかボタンを押したとかのイベントを拾ったり,ウェブページのDOM (Document Object Model)を操作してダイナミックにページを書き換えたりすることもできます.Ajaxと呼ばれる技術と組み合わせることで,動的なウェブやインタラクティブなUIが実現しました.Google Mapが登場したとき,JavaScriptがもたらす影響の大きさに驚きました.
注:JavaとJavaScriptは呼び方も基本的な文法も似ていますが異なる言語です.
JavaScriptを使った例として,リンクをポイントすると色が変わる例をお見せします.
リンクの上にマウスが来ると,onmouseover というイベントが発生します.そのイベントを拾って,CSSを変更して色を変えています.
a要素の中に,文字の色や大きさを変更する命令を直接書き込むこともできます.
アプリケーションのように動作する動的なWeb(RIA)にはAjaxという機能が使われています.Ajax用に用意されたJavaScriptのLibraryを使うと,目次やタブパネルなどのナビゲーションに役立つ機能をはじめとして,写真を表示する際に有効な機能など,ユーザビリティを画期的に向上させるインタラクティブなサイトを構築することができます.詳細は割愛しますが,いくつかの例を示します.
簡単なJavaScriptを使って,プログラミングの勉強をしましょう.JavaScriptはどのブラウザでも動作するので,Windowsならメモ帳(や秀丸やNotepad++)などのエディタ,Mac OS XならスクリプトエディタやJEditなどのエディタでプログラムを書いて,プログラミングの勉強をすることができます.
授業中に配付する紙の穴埋め問題を提出課題にします.提出日時は授業中に指示します.
2回だけの授業でプログラムの基本をマスターするのは難しいので提出課題にはしませんが,興味がある人は以下の問題を解決するプログラムをJavaScriptで書いてみてください.自分でプログラムを書くおもしろさを少しでも感じてもらえたら嬉しいです.
JavaScriptなどのプログラミングでは,一文字でも間違えると動いてくれません.でも最近のウェブブラウザは,スペルミスを指摘するワープロのようなdebug機能を備えているので,それを利用することもできます.少し難しい内容になるので授業では扱わないし,ブラウザによってdebug方法が異なるし,debug用の便利なアドオンもありますが,たとえば下記が参考になると思います.