“Designing Search Engine User Interfaces for the visually impaired”の紹介

2006年7月11日 渡辺隆行 (最終更新: 2006年07月13日 21:46

B. Leoporini, etl.al, “Designing Search Engine User Interfaces for the visually impaired”, Web for All 2004.

読み進むにつれて,有用な情報や結果が少なく,当たり前のことしか書いていない論文であることが分かった.(最初はしょぼくても途中から研究成果が提示されるかと思ったが期待はずれ.)
でも,全盲の視覚障害者が検索エンジンを利用する際のアクセシビリティとユーザビリティを取り扱っているので,最後まで読んでまとめた.

概要

情報取得に検索エンジンが重要.全盲の視覚障害者が,スクリーンリーダで検索エンジンを利用する際のデザイン上の問題について述べる.特に,検索エンジンのインターフェースを改善する適切なガイドラインを提案するために,ビジュアルレイアウトと聴覚表示の違いについて議論する.

1. Introduction

著者らの調査[1,2]:ツールと質問紙

2. 関連研究

3. 全盲利用者のインターネット・ナビゲーション

全盲者がスクリーンリーダを使ってナビゲーションする際の主な問題点:

3.1 検索エンジンのIF

IFはアクセシブルなだけではなくてユーザ・フレンドリーであるべき.ユーザが使うデバイスに依存せず簡単に使えるべき.

ユーザIFは下記のような機能を持っている:

下記のような機能は,全盲の利用者とIFのインタラクションを助ける:

4. ビジュアル・レイアウト 対 聴覚知覚

4.1 視覚認知と聴覚認知の比較

検索エンジンのUIを設計するときに特に考慮すべきこと:

4.2 検索エンジンUIの認知例

画面表示がシンプルなGoogleの場合:

レイアウトが複雑なYahooの場合:

5. 検索エンジンUIのガイドライン案

UIデザインの主な問題点:

  1. ページがシリアライズされた後の読み上げ順が大事.
  2. Tabキーやコマンドによるによるナビゲーションに対応したHTMLを書く.
  3. 視覚表示で示されている情報が聴覚表示でも示されること.

本論文の提案:

  1. 編集フィールドと検索オプションの場所がすぐに分かるように配置・ラベリングされていること.
  2. 検索結果のハイライト.
  3. 検索結果のアレンジ.
  4. スポンサーが提供しているリンクを区別できること.
  5. ナビゲーションリンクとヘルプリンクの追加.
  6. 迅速なナビゲーション.
  7. 音による警告.
  8. aural CSS.

6. 結論