人間科学概論IIB 参考文献リスト

2018年07月08日 23:49
渡辺隆行
https://www.univ-web.org/nabe/lec/HSintroIIB/

この授業に関連する文献を下記に挙げます.学部4年間の間,特に卒論に取り組む前の1年から3年生の間に関心がある分野の本をできるだけ読んで欲しいです.すべて図書館に置いてあります(あるいは発注済み)が,もしなかったら渡辺の蔵書をお貸しできる場合もあります.

HCI,認知心理学,認知科学関連

HCI(Human-Computer Interaction)

D.A.ノーマン著,岡本・安村・伊賀・野島訳「増補・改訂版 誰のためのデザイン?ー認知科学者のデザイン原論」,新曜社.

著名な認知科学者であるDonald A. Normanが書いた本の改訂版.必読書です.我々の身の回りにあふれている使いにくい機器を題材にして,ユーザ中心の設計思想の重要性を述べています.製品を手にした時にどう操作すればよいかすぐにわからないようなデザインや,その装置が今どんな状態にあるのかわからないようなデザインは駄目だということが書いてあります.また,この本で彼は以下に示すデザインの7原則を示しています.

デザインの7原則
  • 外界にある知識と頭の中にある知識の両者を利用する.(すべて覚えていなくても外界の状況が手がかかりになる.)
  • 作業の構造を単純化する.(Keep it simple.)
  • 対象を目に見えるようにして,実行の隔たりと評価の隔たりに橋をかける.(どういう状態にあるのかわかりにくいデザインは駄目.携帯電話のイルミネーションが光っている.でも何故?というのは駄目で,ぱっと見ただけでメール着信だとか留守番電話だとかがわかるように作るべき.)
  • 対応付けを正しくする.(スイッチを右にスライドさせたら右側のランプがつく.スライドが上下方向のスイッチだと左右との対応関係が不明になる.)
  • 自然の制約や人工的な制約の力を利用する.(ノブがついていないドアは,押すドア.引き手がついているドアは引くドア.)
  • エラーに備えたデザインをする.(人間は間違う生き物だから,エラーを犯しても元に戻れるようにする.)
  • 以上のことが全てうまくいかないときは標準化する.(あらゆる装置で同じデザインになっていれば戸惑うことはない.)
渡邊著「融けるデザイン ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論」ビー・エヌ・エヌ新社
新進気鋭の若手研究者である渡邊恵太先生の本.タッチ操作が前提となった現代の情報機器操作に関して「溶けるデザイン」という言い方で使いやすい機器のポイントを解説しています.「自己帰属感」というこの本のキーワードをぜひ理解してください.この本も卒論のアイデアを得られる本ですよ.
増井著「スマホに満足してますか? ユーザインタフェースの心理学」光文社新書 742
SFCの増井教授はSONYスマホなどに採用されている日本語入力IMEであるP.O.Boxの開発者でもあります,わかり易い例を元にユーザインタフェースの諸問題を解説しているので,新書版で読みやすいですし,卒論のアイデアを得ることができると思います.
海保博之・原田悦子・黒須正明「認知的インターフェース」,新曜社.
認知心理学の研究者3人の共著.コンピュータを使う人間の認知(頭というか心の働き)を考慮しながら人間とコンピュータのインターフェースについて勉強するのに格好の入門書.短い本なので読みやすいと思う.
Jef Raskin著,村上雅章訳「ヒューメインインターフェース―人に優しいシステムへの新たな指針ー」,ピアソン・エデュケーション.
Macintoshの生みの親であるRaskinが書いた本.Normanとは違った視点から,人に優しい(使いやすい)システムを作るために必要なインターフェースについて述べている.
黒須・暦本「コンピュータと人間の接点 (放送大学教材)」放送大学教育振興会
2016年度まで大学院の教科書にしていました.ヒューマン・コンピュータ・インタラクションの入門書です.
黒須「情報機器利用者の調査法 (放送大学教材)」放送大学教育振興会
前述した本のペアとして使える本.
黒須著&編,他「人間中心設計の基礎 (HCDライブラリー (第1巻))」近代科学社
2冊前にあげた本と同じ黒須先生(HCD分野の第一人者)の本です.HCD(Human-Centered Design)ライブラリーの他の本も参考書として使えると思います.
アラン・クーパー著、山形浩生訳「コンピュータはむずかしすぎて使えない!」,翔泳社
アラン・クーパーはVisual Basicを開発した有名なプログラマー.その彼が、「使いやすいソフトを作るためには,(プログラマーがプログラミングに入る前に)操作デザイナーがユーザのためのデザインをして,そのデザインにしたがってプログラミングすることが重要である」と主張している本.
リンゼイ&ノーマン著「情報処理心理学入門I,II,III」,サイエンス社
古典的名著.

情報デザイン,デザイン思考,UXデザイン

安藤昌也『UXデザインの教科書』丸善出版
UX(ユーザ体験)界の第一人者が書いた教科書.人間中心設計の考え方を始め,この世界で使われる技法なども一通り学ぶことができる良書.UXを勉強したい人が必ず読んでオアかなえればならない本です.2017年度から大学院の教科書にしています.企業に勤める卒業生と一緒にこの本の自主勉強会も開催しました.
中野明『デザイン思考でゼロから1をつくり出す』Gakken
デザイン思考の入門書.超図解シリーズなのでとても読みやすい.
情報デザインフォーラム・山崎編 「情報デザインの教室 仕事を変える、社会を変える、これからのデザインアプローチと手法」丸善
2015年度から3年次演習の教科書.一人で読むには難しいと思いますが,情報デザインを学ぶために必要なことが網羅されている良書です.
S. Weinschenk著,武舎他訳「インタフェースデザインの心理学-ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針」,オライリージャパン
2012年7月に出た本.100の指針にまとめられていて読みやすい本.ウェブサイト制作に関心がある人は読んでみると勉強になると思う.
S. Weinschenk著,武舎他訳『続・インタフェースデザインの心理学-ウェブやアプリに新たな視点をもたらす+100の指針」,オライリージャパン
2016年に出た本.上記の100個に加えた新たな指針100個が書いてある.
『Design Rule Index デザイン,新・25+100の法則』BNN
デザインの認知度を左右するには,デザインから学び取ってもらうには,デザインのユーザビリティを強調するには,デザインの訴求力を高めるには,デザインを上手く決定するには,の各ポイントで100個の概念が説明されている本.
深津 貴之, 荻野 博章「プロトタイピング実践ガイド スマホアプリの効率的なデザイン手法」インプレス
3年次演習でも使った本.情報デザイン(デザイン思考)の世界では,手に取って体験できるもの(プロトタイプ)を手早く作ることが大事なのです.
Williams著,吉川訳「ノンデザイナーズ・デザインブック」毎日コミュニケーションズ
初学者にも分かりやすくデザインを学ぶことができる本.
Jeff Johnson著,武舎訳『UIデザインの心理学-わかりやすさ・使いやすさの法則』インプレス
心理学の知見を活かしてユーザ・インタフェース(UI)設計に取り組むための本.少し難しいかもしれないがとても良い本.
デイヴィッド・ケリー「クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法」日経BP社
デザイン思考に関心がある人は読んで欲しい本.世界最高のデザイン会社IDEOのCEOとスタンフォードdスクールの創設者の共著なので迫力があります.
ラプトン著,武舎訳「万人のためのデザイン」,BNN
デザイン博物館で11万人を動員した<ビューティフル・ユーザーズ展>の全てを収録した本.デザインの本として読める.
田子・田子・橋口共著「デザインマネジメント」日経BP社
デザインを経営の根幹に据えた経営手法について書かれた本.デザインの持つ影響力がわかる.
山中俊治著「デザインの骨格」,日経BP社
Appleのデザインの話や,Suica改札機の読み取り角度が何故13.5度傾いているかなどをデザインの視点で分かりやすく語っている本.
スミス著,北村訳「世界を変えるデザイン-ものづくりには夢がある」,英治出版
本当に必要とされるものを本当に必要としている人に渡すためのデザイン(ものづくり)の実例を分かりやすく示した本.
早川克美『デザインへのまなざし-豊かに生きるための思考術』藝術学舎
京都造形芸術大学の先生が書いたデザイン思考の入門書.とても読みやすいのでお勧め.オンライン大学gaccoの教科書でもある.
三井秀樹『美の構成学-バウハウスからフラクタルまで』中公新書
デザインを学ぶ人の(基礎学問としての)入門書.デザインやデザイン思考に興味ある人は必読.
佐藤好彦『デザインの教室 手を動かして学ぶデザイントレーニング』MdN
基本的な図形や文字,色による平面構成から,実践的なレイアウトまでを,実際に手を動かして学ぶことのできるトレーニングブック.デザインが好きな人は取り組んでみると良いと思う.
ジェームス・W・ヤング,今井訳『アイデアのつくり方』阪急コミュニケーションズ
名著.60分で読める短い本であるけれど,アイデアの作り方のヒントが沢山書いてある.是非読んで欲しい.
三谷宏治『発想力の全技法』PHP文庫.
文庫本なので読みやすい.発想力を磨きたい人は読んでみれば良いと思う.
スーリ+IDEO著,森訳:『考えなしの行動?』太田出版
発想力をはぐくむためのドリル本.文庫サイズで簡単に読める.
玉飼真一他,:『Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで』翔泳社
分かりやすい本.Webデザインに興味がある人向け.(図書館に注文中)
栗原一貴他:『消極性デザイン宣言 ―消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。』ビー・エヌ・エヌ新社
コミュニケーションをデザインする本.読みやすい本です.(図書館に注文中)
岩嵜博論:『機会発見――生活者起点で市場をつくる』英治出版
博報堂に勤める著者がデザインの発想でマーケティングを議論した本.(図書館に注文中)
内藤タカヒコ:『プロとして恥ずかしくない 新・デザインの大原則』エムディエヌコーポレーション
デザインの基本が書いてある本.(図書館に注文中)
松波晴人:『ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)』講談社
観察する行為はデザインの基本です.読みやすい本.(図書館に注文中)
クラウス・クリッペンドルフ:『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』エスアイビーアクセス
とても難解だが重要な本.情報デザインを学ぶ人間の必読書.(図書館に注文中)
池上嘉彦:『記号論への招待 (岩波新書)』岩波書店
デザインの基本となる本.コミュニケーションや言語学とも関連深い.必読書.

認知心理学,認知科学

森他「グラフィック認知心理学」,サイエンス社
独学で読むには難しいかもしれないが,認知心理学を大学生が学ぶのに最適な本.3年生になる前にぜひ読んでほしい.
箱田,都築,川畑,萩原『認知心理学』有斐閣
分厚いが,認知心理学を本格的に勉強したい人向けの本.
大島尚編「認知科学」,新曜社
ボリュームが短いので,認知科学について簡単に知るのに適している.
鈴木宏昭:『教養としての認知科学』東京大学出版会
認知科学を学ぶのに適した本
佐々木正人「新版 アフォーダンス -新しい認知の理論(岩波科学ライブラリー234),岩波書店
アフォーダンスについてわかりやすく説明してある.短い本なので読みやすいと思う.認知心理学の本を読んだ後にぜひ読んでほしい.
西川,阿部,仲著「認知科学の展開」,日本放送出版協会
認知科学について説明した放送大学の教材.認知科学を勉強したい人は読んで欲しい.
安西祐一郎著「心と脳-認知科学入門」,岩波新書
2011年9月に出た新書
原田悦子編「『使いやすさ』の認知科学」,共立出版,
認知科学の分野から「使いやすさ」を学際的に考えて,関連する論文をまとめた特集.
「感覚・知覚心理学ハンドブック」
辞書です.図書館にもあるので調べ物をするときに利用すると良いと思う.

その他(人工知能など)

D.A.ノーマン著,安村他訳「パソコンを隠せ,アナログ発想でいこう!」,新曜社
同じくノーマンの本.何故今日のパソコンは機能ばかりが多くて使いにくいのか,どうすればこの状況を打ち破り,使いやすい情報機器を作ることができるのかというテーマを取り上げています.この本で彼が提唱している「情報アプライアンス」というのは,目的ごとに専門化したコンピュータが組み込まれた装置で,マニュアルなどなくても見ただけで使い方がわかる装置です.情報アプライアンスは,今のパソコンが,なんでも出来る代わりに使いにくく,しばしば調子が悪くなるのとは対照的な情報機器です.またこの本の中で彼は技術中心の製品開発からユーザ中心の製品開発に移行する重要性も述べています.技術が充分成熟すれば,そしてその製品の背後にある技術が目立たないようにデザインされてれば,オートマチック車の運転と同じくらい簡単に操作できる情報機器が実現するはずです.
D.A.ノーマン著,佐伯訳「人を賢くする道具―ソフト・テクノロジーの心理学」,新曜社
 
D.A.ノーマン著,佐伯訳「テクノロジー・ウォッチング-ハイテク社会をフィールドワークする」,新曜社
 
リーブス&ナス著,細馬訳「人はなぜコンピュータを人間として扱うか-「メディアの等式」の心理学-」,翔泳社.
人はコンピュータのような新しいメディアに対しても人と同じような反応を示すことを心理学の実験を元に説明した本.
マッスィミーニ&トノーニ著 花本訳「意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論」亜紀書房
 
石川幹人「心と認知の情報学-ロボットをつくる・人間を知る」,勁草書房
授業のテーマと関係が深い本.2006年の出版なので進化が激しいこの分野では内容が古いきらいはあるが,心とは何か意識とは何かコミュニケーションとは何かなど著者の深い洞察がよくわかる良書.ただしかなり読みにくい(難しい)本.
マーヴィン・ミンスキー『心の社会』産業図書
分厚い本だが,心とは何かを議論した名著.
小林「AIの衝撃➖人工知能は人類の敵か」,講談社現代新書
授業で扱うテーマについて詳しく書いてある.一般向けの新書なので読みやすい.
マレー・シャナハン『シンギュラリティ-人工知能から超知能へ』NTT出版
難しい本だが,人工知能に興味がある人は読んでみると良いと思う.
児玉哲彦『人工知能は私たちを滅ぼすのか』ダイヤモンド社
人工知能の歴史と将来についてとてもわかり易く書いてある本.

ユーザビリティ関連

樽本徹也『ユーザビリティエンジニアリング 第2版』オーム社
この分野の第一人者が書いた好著.ユーザビリティを学びたい人は必読です.渡辺ゼミでも使います.
J.ニールセン著、篠原監訳「ユーザビリティ・エンジニアリング原論 -ユーザのためのインターフェースデザイン」, 東京電機大学出版局
ヤコブ・ニールセンもノーマンと並んでこの分野で有名な人です.ニールセンはウェブのユーザビリティの分野でも有名です.二人はNielsen Norman Groupという会社を作って,よい「ユーザ体験」をさせる(ユーザ中心の,ユーザビリティを考慮した)デザインの仕事やコンサルタントをしています.この本にはユーザビリティ原則10箇条が解説されています.是非読んでおくと良いと思います.
ユーザビリティ原則10箇条
  • シンプルで自然な対話を提供する.
  • ユーザの言葉を使う.
  • ユーザの記憶負荷を最小限にとどめる.
  • 一貫性を保つ.
  • フィードバックを提供する.
  • 出口を明らかにする.
  • ショートカットを提供する.
  • 適切なエラーメッセージを使う.
  • エラーを防ぐ.
  • ヘルプとドキュメントを提供する.
黒須他著「ユーザ工学入門」,共立出版
この本でいう「ユーザ工学」は,「ユーザの分析」と「ユーザビリティの評価」を含んでいる.「ユーザの分析」では,質問紙調査,個人面接,民族誌的インタビューなどの調査手法が取り上げられている.「ユーザビリティ」は使いやすさやわかりやすさのことで,ユーザビリティとユーティリティ(機能が多いとか性能がよい)の両方が優れた製品が,いわゆる使い勝手が良い製品になる.ユーザビリティ評価の手法として,ユーザビリティテスティングの仕方などが書いてある.
黒須正明編著「ユーザビリティテスティング-ユーザ中心のものづくりに向けて-」,共立出版
ユーザビリティテストの実施方法などを解説してある.

ユニバーサルデザイン関連

ユニバーサルデザイン研究会編「新ユニバーサルデザイン」(日本工業出版).
ユニバーサルデザインに興味がある学生は読むことをおすすめします.
日本人間工学会編「ユニバーサルデザイン実践ガイドライン」,共立出版
ユニバーサルデザインを実践する際に役立つガイドライン.3年次演習でも使用していますし,「情報システム」の授業でも一部を利用しています.
古瀬敏 編著「ユニバーサルデザインとはなにか -バリアフリーを超えて-」,都市文化社選書
ユニバーサルデザインの第一人者である著者が,ユニバーサルデザインについてわかりやすく解説した本.
ユニバーサルデザインの7原則
  • 誰にでも公平に使用できること
  • 使う上での自由度が高いこと
  • 簡単で直感的にわかる使用方法となっていること
  • 必要な情報がすぐ理解できること
  • うっかりエラーや危険につながらないデザインであること
  • 無理な姿勢や強い力なしで楽に使用できること
  • 接近して使えるような寸法・空間となっていること
C&C振興財団編,アクセシビリティ研究会著「情報アクセシビリティとユニバーサルデザイン」,アスキー.
 
ジュリア・カセム:『インクルーシブデザイン: 社会の課題を解決する参加型デザイン』学芸出版社
ユニバーサルデザインと似た考え方のインクルーシブデザインについて解説した良書.(図書館に注文中)

ユーザ・障害・疾病等の分類関連

ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)
世界保健機関(WHO)で採択された,人間の生活機能と障害の分類法がICF.厚生労働省が作成した日本語版,「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」もある.
「ICD-10 (International Classification of Diseases)
ICD-10は,WHOが作成した疾病の分類表.和訳もある:「ICD-10 国際疾病分類第10版」

データ分析,統計関連

海保,原田編著「プロトコル分析入門」,新曜社
発話データの分析について詳しく書いてある本.ユーザビリティテストの時に必要になる.
福田忠彦・福田亮子監修「増補版:人間工学ガイド-感性を科学する方法-」,サイエンティスト社
人間工学で用いられる評価手法を実践重視で解説した本.官能評価法(ME法,正規化順位法,一対比較法,SD法,評価グリッド法),他感的評価法(ワークサンプリング法,サーブリック法など),複合評価法(プロトコル分析法など)について具体的な例とともに書いてあるので卒業研究にも即役に立つ.3年次演習の教科書の一つでもあります.
岩淵千明編著「あなたもできるデータの処理と解析」,福村出版
社会心理学を専門とする著者が,ユーザの視点に立って,卒論に必要な統計の知識を体系的に説明した本.
佐藤郁哉:『質的データ分析法―原理・方法・実践』新曜社
この著者の質的研究法の本はどれも重要.
上田拓治:『マーケティングリサーチの論理と技法 第4版』日本評論社
(図書館に注文中)
石原茂和:『商品開発と感性 (感性工学シリーズ (1))』海文堂出版
(図書館に注文中)

専攻の会議資料室(8号館4階)にも参考になる本が多数置いてあるので参考にしてください.

ウェブ関連

ウェブのユーザビリティやアクセシビリティに関する本.

渡辺隆行:「ユニバーサル・ウェブ -誰もが使いやすいWebサイトの構築-」
「情報処理技法(Webでの情報表現)」のテキスト
「ウェブ・アクセシビリティ-すべての人に優しいウェブ・デザイン-」,Paciello著,ソシオメディア監訳,ASCII
ウェブアクセシビリティの分野では有名な古典本.
富士通株式会社 総合デザインセンター著:「改訂版 よくわかる Webアクセシビリティ&ユーザビリティ」,FOM出版.
今となっては内容が古いところがあるが,ウェブのユーザビリティとアクセシビリティに関して,わかりやすく書いてある.富士通のチェックツールも同梱されているので,初心者には適していると思う.
『Webアクセシビリティ~ 標準準拠でアクセシブルなサイトを構築/管理するための考え方と実践~』,サッチャー他著,渡辺他監修・訳.毎日コミュニケーションズ.
Webアクセシビリティ大全とでも呼ぶべき本格的な書籍.「1章:Webアクセシビリティを理解する」はウェブでも公開.
NTTサービスエボリューション研究所,篠原監訳「ウェブユニバーサルデザイン」,近代科学社
JIS X 8341-3:2010の解説書.
ピカリング著,太田・伊原力監訳「コーディングWebアクセシビリティ」
読むには専門知識を要するがHTML5時代のWebアクセシビリティを考えるための良書.
ウェブアクセシビリティ基盤委員会が公開している資料
「ウェブアクセシビリティ基盤委員会:公開資料&リンク集」参照.JIS X 8341-3:2010とWCAG 2.0に関する重要な資料が置いてあります.

ウェブ2.0といわれる世界や今後の社会に関しては下記の本が参考になると思います.

梅田望夫『ウェブ進化論 -本当の大変化はこれから始まる』 (ちくま新書),筑摩書房 (2006/2/7) .
Googleに代表されるWeb 2.0の時代をわかりやすく解説した本.2006年の出版だが2013年の今 読んでも価値があると思う.

レポートや論文の書き方

4年次演習のための「卒論の書き方」
 
「論文・レポートのまとめ方」,古郡廷治著,ちくま新書122,700円.
 
「レポートの組み立て方」,木下是雄,ちくま学芸文庫,780円.
木下さんは「理科系の作文技術」(中公新書)などで有名な方ですが,この本は理系文系に関係なく読める本です.
「『考える』ための小論文」,西・森下共著,ちくま新書110,720円.
文系の大学入試では小論文が課されることが多いです.この本は,「入試問題を素材として志向と書き方を訓練する」,「広く考えて書きたい人-独自性のある文章を目指したい人のための」(2つとも前書きより引用)本です.
「レポート・論文の書き方入門」,河野哲也著,慶應義塾大学出版会,1000円.
テキスト批評の練習法が面白い.
「論文の書き方」,清水幾多郎著,岩波新書.
極めて有名な本.卒論に取り掛かる前に是非読んでください.「書く」という作業がいかに大変なものかがわかる.
「情報検索のスキル」,三輪眞木子著,中公新書1714,740円.
 
「パラグラフ・ライティング入門」,橋内,研究社出版.
絶版かもしれないが,とても良い本.

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス© Takayuki Watanabe