- 「以下で紹介する技術のデモ@Youtube」:授業では一部しか紹介できないので後で自分でゆっくり見てください.
- 「授業で使える資料@Evernote」:以下で紹介する話題をEvernoteにまとめています.この中の「概論」というタグが付いた話題を後でゆっくり眺めてみてください.(「概論」で検索する以外に,「人工知能」とか「ロボット」とかで検索しても良いと思います.)
進化するコンピュータの例(2012-2015)
以下,主に2012年と2013年に気づいたニュースをまとめました.2014年度は研究休暇だったので2年ぶりにこの授業をするのですが,この2年間の間にロボットや人工知能に関するニュースがとても多くなりました(最新の話題はYouTubeやEvernoteにクリップしてあります.).
コンピュータとの音声対話
AppleがiOS向けにSiri(Speech Interpretation and Recognition Interface)を搭載してから,人間がスマートフォンに音声で質問し,スマホが音声で答えることが当たり前のようになってきました.NTTドコモも「しゃべってコンシェル」で同様の機能を提供しています.Android(Google)も音声検索ができます.
スマホが人間の発話を認識し,(クラウド上のサーバで)自然言語処理技術を用いて質問の内容を解析し,(クラウド上のデータベースを用いて)質問に対する回答を用意し,スマホがそれを音声合成して喋る,という技術の組み合わせにより,まるでスマホと音声対話しているように思えませんか?
音声でコンピュータに指示できると,コンピュータの前に座る必要がないだけでなく,メニューをたどったり設定を探したりしなくても一発でコンピュータに指示できることにも気づきましたか?
しゃべってコンシェル,Siri
Appleの"Siri"もNTTドコモの「しゃべってコンシェル」もGoogleの音声検索はますます進化しているようです.僕も試してみましたが,結構便利で面白かったです.
- NTTドコモの「しゃべってコンシェル」.(デモ)
- アップル iOS Siri
- OK Google
- 「Siri」vs「しゃべってコンシェル」,別の対決Youtube
- Siri、Google Now、Cortana:ベストなのはどれ?
人工知能
- 進化するグーグル画像認識ソフトウェア、画像の「状況」まで理解できるように
- これ何の写真?って人工知能にクイズを出してみるサイト
- Google、「DQN」という人工知能を開発、ゼロからゲームをプレイして自力で攻略方法を見つける
- 人工知能が人類を超える
- 最先端の人工知能開発者は今、何を考えているのか?
- 人工知能で東大合格をめざす
- 「ロボットは東大に入れなくても、確実に人間の仕事を奪う」
- 欧州の「全脳シミュレーション計画」が広げた大風呂敷と、その誤算 ~スパコンによる再現はやはり不可能なのか
- 「AIバブル」への警鐘---今の人工知能に出来る事と出来ない事の見極めが事業化への鍵となる
- 中国の人工知能研究が日本を一気に抜き去った理由
人工無能
SiriやWatosonはコンピュータに知性を感じさせてくれます.でも,その能力にはまだ大きな限界があることも分かります.Siriが回答できる分野や質問パターンには限りがあるし,Watosonは特定のクイズ番組に最適化されて設計されていて膨大なコンピュータが背後で動いています.人工知能ならぬ人工無脳と呼ばれるシステムがあります.とても単純な応答しかしないのに人間はそこに知性を感じてしまうのはなぜでしょうか.
- 人工無能の代表例:「Eliza」
- 2015年に日本マイクロソフトが女子高生人工知能「りんな」をLINEで提供しました.僕も使ってみましたがかなり面白いです.(「りんな」のサイト)
- MixiやTwitterにもbotのような人工無能が住んでいます.
クイズ王ワトソン
IBMが作った質問応答システム「Watson」を知っていますか.Watsonは米国で人気のクイズ番組に人間に混じって参加し,人間を負かしました.Watsonは,クイズ番組で出題される様々なそして曖昧な質問を,洗練された自然言語処理技術を用いて解析し,言外の意味をも(過去の出題文のパターンを利用して)類推して,既存情報から学習した知識を用いて正解と思われる回答を推測し,確信がある場合だけ音声で回答します.Watsonのこのような情報処理は,データベースから答えを探し出すSiriよりも人間の知能に近いと思いませんか?
IBM to Announce More Powerful Watson via the Internet
2015年にはWatsonは一般用途にも利用されています.
- 人工知能「ワトソン」を本格導入 保険大手のMS&AD コールセンターで音声分析
- ウィンブルドンで人工知能「Watson」が“テニス専門家”として活躍
- IBMの人工知能「Watson」、料理本を発売へ--考案したレシピを収録
未来のコンピュータ
SF映画では未来のコンピュータが色々な形で描かれていますが,もっと近い未来,数年後に可能になるかもしれない技術を各社が公開しています.
- Microsoftの創る「未来」を示す圧倒的すぎるムービー「Productivity Future Vision」,(YouTube)
- Microsoft's Concept - Future vision 2020(YouTube)
- Top 5 Future Technology Inventions | 2019 - 2050(YouTube)
- NTT提供の 2025 The Future of ICT(YouTube)
近未来のコンピュータ(一部は既に)は,Robot,Ubiquitous Computing,AR(Augumented Reality)として人間の世界に浸透していきそうな気がしませんか?
AR(拡張現実):現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを指す言葉。(Wikipedia)
ロボットの話題
コンピュータの進化を考えると,ロボットと人間の関係が気になってきます.ホンダのアシモが何年か前に話題になりましたが,以下の話題を見つけたので紹介します.
- 【森山和道の「ヒトと機械の境界面」】ロボットを人に似せる意味は何か ~ヒューマノイドロボットのデザイン – PC Watch (2013/11/18 06:00)
- 【森山和道の「ヒトと機械の境界面」】自己表現のためのインターフェイスデザインとは~五十嵐デザインインタフェースプロジェクト公開シンポジウム -PC Watch.「人とコンピュータと結びつける一環としてロボットをとらえて稲見氏は研究を行なってきた」
- ホンダのニュース:
アメリカン・ホンダモーターは、「歩行アシスト」を用いた共同試験を、シカゴのリハビリテーション専門病院であるリハビリテーション・インスティテュート・オブ・シカゴ(Rehabilitation Institute of Chicago 以下、RIC)において開始しました。
Hondaの歩行アシストは、けがや病気などで歩行が不自由になったり、加齢などによって脚力が低下した方々の歩行の改善を支援する機器です。RICでは、理学療法士および研究者が、脳卒中を経験した患者の歩行改善において、歩行アシストの適合性や有効性などの検証と評価を行います。
- 高齢者を癒やすロボット人形 認知症予防などに効果(2013.9.4)
- 2014年に注目された「身近なロボット」の話題5つ
- 記者はもういらない? ロボット・ジャーナリストの台頭
- マツコさんと等身大マツコロイド、共演の狙いは?
- マツコデラックス 毛穴が20万個のアンドロイド マツコロイドの驚異!(YouTube)
- Human or Machine? The Incredibly Life-Like Android Robots From Japan(YouTube)
- マイクロソフトのすごすぎるAR技術で、ついにロボットも世界が見られる?
- 人工知能搭載ロボット「Pepper」導入店を覆面調査。その接客レベルは?
ロボットとの非言語コミュニケーション
人間同士のコミュニケーションは音声だけで行われているわけではありません.人間は,表情や身振りや声の調子からも色々な情報を見いだしています.
人と人とのコミュニケーションにおける「うなずき」に注目し,それをロボットに実装した研究を紹介します:「となりの研究室訪問記/岡山県立大学 情報工学部 情報システム工学科 渡辺研究室:コミュニケーションにおける身体とロボット」.「うなずき君」
HMD (Head Mount Discplay)
メガネをディスプレイとして使うHMDは既に製品化されています.2012年はデモビデオとして紹介したGoogleの研究開発プロジェクトであるProject Glass(ヘッドマウントディスプレイHMD方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータ)が2013年度にはGoogle Glassとして立ち上がり,早期テスターが使用できるようになりました.(その後,個人向けのGoogle Glassは閉鎖され,仕事用の「Glass at Work」が継続されています.)
2015年にはSONYやEPSONがHMDを製品化しています.
ジェスチャー入力
MicrosoftのXboxにはKinectというセンサーが付いてきますが,MicsorsoftはKinectだけを別売りしています.Kinectは2万円以下の安価な値段ですが,(2人までの)人間のジェスチャー(主な関節の動きや奥行き)を認識したり音声認識をしたりする高機能なセンサーです.これを用いれば,身振り(ジェスチャー)だけでコンピュータやテレビを操作出来るようになります.Kinect EffectというWebサイトでは,Kinectの色々な利用方法が紹介されています.自閉症のこども用のプログラムや車椅子利用者の買い物にも利用できることに驚きませんか?
最近(2014年1月),PCに組み込むことができる安価な装置が登場して話題になっていますね.
触覚ディスプレイ
このページのスタイルシート(nabe_article.css)やJavaScript(SmartDoc.js)はSmartDocをベースにしています.また,目次生成などのインターラクティブなエフェクトは,jQueryというJavaScriptのライブラリを用いています.